産業廃棄物収集運搬業については廃掃法に基づき許可が付与されます。実際に許可申請書を管轄先に提出をすれば「許可証」が発行され、営業をすることができました。
一方で、産業廃棄物収集運搬業と密接な関係にあるとして言われてきたのが「貨物自動車運送事業(青ナンバー)」でした。
これらの関係について、2026年3月に国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課長が「貨物自動車運送事業法における廃棄物の運送に関する取扱いについて」という見解を出しております。
本記事では、そちらの内容について詳しく見ていきます。
産業廃棄物収集運搬業と白ナンバーの関係

産業廃棄物収集運搬業は、「事業活動に伴う廃棄物を排出元から処分場へ運ぶ」事業になります。もう少し言い方を変えると、事業活動に伴う廃棄物を他者の委託を受けて、有償で処分場へ運ぶ事業になります。この過程に対して、対価(報酬)をもらいます。
一方で、「貨物自動車運送事業(青ナンバー)」とは、「他人の需要に応じ、有償で自動車(主にトラック)を使用して貨物を運送する」事業を指します。この場合は、貨物自動車運送事業の許可が必要になります。
そうすると、産業廃棄物収集運搬業について「貨物自動車運送事業」の要件に該当するように思えます。
そのため、産業廃棄物収集運搬業を始める場合については、産業廃棄物収集運搬業の許可と貨物自動車運送事業の許可を取得する必要があるのではないかと疑問視されてきました。
見解の内容について

2026年3月に国交省と環境省から「貨物自動車運送事業法における廃棄物の運送に関する取扱いについて」という連絡がありました。
【見解について一部抜粋】
廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第1項に規定するものをいう。)の運送に関しては、廃棄物行政を所管する環境省から、廃棄物処理の主たる業務は、廃棄物の収集及び処分業務であり、廃棄物の運搬業務はこれらの業務を完遂するために付帯する業務であるとの見解が示されたところです。このため、廃棄物処理業者が、発注者である市町村や排出事業者と締結した包括的な委託等契約に基づき、廃棄物の運搬と、その他の廃棄物の処理(収集又は処分)を一体的に実施する場合において、当該委託等契約に基づく業務の一環として行われる運搬行為(※)については、自己の生業である廃棄物処理業務と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる運送であるため、法の許可等を要しないものと解されます。
その上で、個別の各事案が上記の(※)に該当するかどうかについては、廃棄物処理の実施や委託等の手法が市町村や排出事業者ごとに異なることから、その実態を踏まえ、各市町村や排出事業者において適切に判断した上で、法令に則した業者を選定願います。
他方で、運送にあたって、収集又は処分を伴わない廃棄物の運搬行為のみを行う場合には、法の許可等が必要となることに留意してください。
こちらの規定により、ある程度の部分が明確化されました。一部文言について疑問が残る点もありますが、従来との取り扱いは変わらないため「白ナンバーで問題ない」と再確認することができるようになりました。
さいごに

一方で、「本当に青ナンバーはいらないのか」「このままの運営で大丈夫なのか」とご不安になられた事業者様もおられるかもしれません。実際に、弊所にもお問い合わせをいただいております。
産廃許可を有している事業者様の中でも「産廃とは関係ない運搬行為」をされている場合もございます。その場合は「貨物自動車運送事業」の許可は必要になります。
無許可での営業は非常にリスクですし、依頼主(荷主)についても無許可業者との取引に罰金もありますので取引に大打撃を受ける可能性もございます。不安であればご相談ください。必要であれば運送業許可を取得しましょう。
運送業許可について、弊所は対応可能でございます。遠慮なくご相談ください。

